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【わかりやすく】ニホンウナギの価格はワシントン条約「否決」でどうなる?うなぎ高騰の危機は?

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「最近、うなぎって高すぎじゃない?」
スーパーで値札を見て、そう感じたことはありませんか?

2025年現在、ニホンウナギの価格はどんどん上がっていて、土用の丑の日に気軽に食べるのが難しくなりつつあります。
その背景には、シラスウナギの不漁や養殖コストの上昇、そして国際的な規制の動きが絡んでいます。

特に注目されているのが、ワシントン条約での「ウナギ属取引規制案」
否決されたとはいえ、再採決の可能性が残っており、今後の価格や供給に大きな影響を及ぼすかもしれません。

この記事では、ニホンウナギの価格がなぜ上がっているのか、今後さらに高くなるのか?
最新の国際動向と共に、社会問題としての“うなぎ”をわかりやすく解説します。

目次

ニホンウナギの価格は今どうなってる?

気がつけば、ウナギって本当に贅沢品になりましたよね。

昔は土用の丑の日になると、スーパーで気軽に1尾買って帰るのが恒例だったんですが、2025年現在では「これ、買う?いや今日はやめとこ…」と躊躇するレベルの値段に。
価格の感覚、確実に変わってきています。

この記事では、筆者がいちサラリーマンとして働く中で実感してきたウナギの「価格変動」と「社会的背景」を、自分なりの視点でわかりやすくまとめていきます。

まずは、今の価格がどうなっているのか、そこから見ていきましょう。

 

2025年現在のうなぎ価格とその推移

結論から言えば、ニホンウナギは年々高くなってます

2020年頃までは、まだ1,000円台で買える蒲焼きも多く見かけました。
でも今やスーパーで国産うなぎ1尾を買おうとすると、2,000円超えが当たり前になっています。

土用の丑の日シーズンになると、さらに上乗せ。
この前なんて、国産うなぎ1尾が2,680円というのを見かけて、静かに棚に戻しました(笑)

値段の背景を見ていくと、「シラスウナギの不漁」がまず1つ大きな要因です。
近年は特に漁獲量が安定せず、それに伴って養殖用の稚魚の仕入れコストも上昇。
そのまま店頭価格に反映される形です。

さらに、飲食店の価格も上がってます。
昔はファミレスで1,000円前後だった「うな丼」が、今は1,800円近くすることも。

「ウナギ=ちょっと贅沢」だったのが、「ウナギ=年に一度のお祭り」になってる感覚。
少なくとも、家庭の夕飯にポンと出すには、勇気がいります。

では、この値上がりには他にどんな理由があるのでしょうか?
次で深掘りしていきます。

 

うなぎの値上がりはなぜ起きているの?

値上がりの原因は、ざっくり言って「資源の減少」「コストの増加」「輸入リスク」の三重苦。

まず、漁獲量が減っている。
これは「ニホンウナギが絶滅危惧種」とされている現実とも直結していて、国内外で資源保護の流れが強まっています。

加えて、養殖コストもじわじわ上がっています。
エサ代や光熱費、施設維持費も年々増加。電気代の値上げは、養殖場にとってけっこうキツいはずです。

そして最大のリスクが、日本はウナギの約7割を中国などからの輸入に頼っているという点。
輸入に関税や手続きが増えたり、為替の影響を受けると、当然ながら輸入価格は上昇します。

例えば、ここ1〜2年での円安の影響もあって、輸入ウナギの価格もドンと跳ね上がってます。
「中国産=安い」というイメージ、もう昔の話かもしれません。

この状況をざっくりまとめると、

  • シラスウナギが獲れない
  • 養殖コストが高い
  • 輸入にも頼れない

このトリプルパンチで、ウナギがじわじわと“庶民の味”から遠のいていってるんですよね。

ワシントン条約「否決」でニホンウナギはどうなる?

2025年11月、ウズベキスタンで開かれたワシントン条約の会議で、ある議題が物議をかもしました。

それが「ニホンウナギを含むすべてのウナギ属を国際取引規制の対象にする案」です。

ニュースでもチラッと見た方がいるかもしれません。
「あれ、結局どうなったの?」と思った方のために、ここではその経緯と今後の可能性を分かりやすくまとめていきます。

結論から言うと、2025年11月の委員会では否決されました。
でも、これで完全に終わったわけではありません…。

 

ウナギ属の国際取引規制案とは?

そもそも、今回の規制案はEU(ヨーロッパ連合)などが提案したもの
内容としては、ウナギ属(ニホンウナギも含む)すべてを、ワシントン条約「附属書II」に加えるというものです。

これに指定されるとどうなるのかというと…

  • 輸出に許可書が必要になる
  • 科学的根拠に基づく管理が必須
  • 輸出入の手続きが複雑化・時間もコストも増加

つまり、完全な「禁輸」ではないけれど、かなり厳しいルールが課されることになります。

特にウナギを多く輸入している日本にとっては、コスト・手間・時間、どれもインパクトが大きい。

実際、これが通ったら価格にも影響するのは明らかです。

 

委員会で否決された背景と日本の主張

ではなぜ、今回の規制案は否決されたのか?

投票では、反対100・賛成35・棄権8という圧倒的な反対多数。
3分の2以上の賛成が必要な中で、完全に否決という形になりました。

ここでカギになったのが、日本の外交力と主張の説得力です。

  • 「科学的根拠が不十分」
  • 「日本国内では資源管理が適切に行われている」
  • 「伝統的な食文化を守るべき」

こうした意見に賛同する国が多く、特にアジア・アフリカの国々が反対票に回りました。

正直、普段あまり注目されないウナギの話題で、これだけ世界がざわつくとは思いませんでした(笑)

 

12月5日本会議で再採決の可能性も

ここで「よかった、これで終わりだ」と安心してはいけません。

というのも、12月5日の本会議で再審議・再採決される可能性があるからです。

条約上、委員会で否決されても、本会議で再投票が行われれば覆る可能性もある

つまり、日本としてはまだ全然“油断できない”状況なんです。

このあたり、日本政府も敏感になっていて、農水省や外務省は引き続き他国への働きかけを続ける方針を表明しています。

今のところ「本会議でも否決される見通しが強い」と報じられていますが、
相手は国際政治ですから、何が起こるか分かりません。

この問題は、「ウナギを食べるかどうか」だけではなく、
文化と環境、経済と外交が交差する社会的なテーマでもあるんですよね。


価格は本当に高騰する?うなぎ高くなる理由と今後

「ウナギがさらに高くなるって本当?」
ニュースを見ていて、ついそんなつぶやきが出てしまった人も多いと思います。

正直なところ、「もうこれ以上上がらないでくれ…」と願いたくなりますよね。
でも残念ながら、現実は“高騰不可避”な空気が流れています。

ここでは、その理由と今後どうなっていくのか、冷静に分析してみましょう。

 

規制されると価格が上がる理由とは?

まず大前提として、ワシントン条約でニホンウナギが規制対象に入った場合、
輸出入に“許可書”が必要になります。

この許可書の取得には、科学的な根拠や証明書類が必要で、
当然ながら手間・時間・コストがかかるわけです。

その影響は…

  • 輸入業者の負担が増える
  • 流通のスピードが落ちる
  • 販売価格に上乗せされる

この「許可書制度」がウナギの取引全体を圧迫することになるんですよね。

たとえば、以前は1尾1,800円だった中国産ウナギが、規制導入後には2,400円…なんてことも。

完全な禁輸ではなくても、実質的に取引を縮小させる効果は間違いなく出ます。

 

輸入依存の現状とコストの関係

これは意外と知られていないんですが、日本のウナギは約7割が輸入品

主な輸入元は中国や台湾。
つまり、規制で“外からのウナギ”が入りにくくなると、日本全体の供給が減るというわけです。

さらに、ここ最近の円安やエネルギー価格の高騰もあって、輸入コスト自体も上がっています。

業界では「今後、輸入ウナギの価格が1.5〜2倍になる可能性もある」とささやかれています。

もう「中国産だから安い」なんて時代ではなくなりました。
そもそも輸入のリスクが高すぎる状況なんです。

 

規制なしでも価格が上がるシナリオとは?

じゃあ、仮にワシントン条約で最終的に否決されたら安心なのか?

…実は、そうとも言い切れないんですよね。

なぜかというと、もともとウナギの供給量が減っているから。

  • シラスウナギの不漁
  • 養殖コストの上昇
  • 漁業者の高齢化と人手不足

これらは条約とは関係なく進行中です。

つまり、国際規制がなくても、国内外の生産力はジリジリと下がり続けていて、
それだけでも「価格が上がる土台」は十分にできあがっているということ。

「じゃあ、どうすりゃいいのよ…」って感じですよね。
この状況に、誰もがモヤっとしてるはず。

養殖うなぎで価格は安定する?

「天然がダメなら、養殖でカバーできるんじゃないの?」
そう思いたくなるのが人情ってもんですが、現実はそう甘くありません。

養殖うなぎの技術は確かに進化していますが、価格の安定剤としてはまだまだ不安定
むしろ、養殖だからこその悩みも出てきているんです。

 

養殖うなぎの現状と課題

まず、養殖うなぎのほとんどは“完全養殖”ではないという点が大前提です。

現在主流なのは、「天然のシラスウナギ(稚魚)」を捕獲し、それを育てて出荷するタイプ。
つまり、最初のタネは自然に頼ってる状態なんですよね。

このシラスウナギが不漁になると、養殖業者も仕入れができなくなり、結果的に価格が上がる。
これが近年の“値上がりスパイラル”の一因です。

さらに、養殖場は電気代・エサ代・人件費の影響をモロに受けるため、
「養殖なら安いでしょ?」というイメージは、現代では通用しなくなってきています。

 

完全養殖は救世主になるのか?

希望の星として期待されているのが「完全養殖」。

これは人工的に卵からふ化→育成→産卵までをすべて管理できる技術のこと。

実は、すでに日本国内の研究機関では商業化寸前の段階に来ているんですが、
まだ安定した量産体制には至っておらず、価格も高め。

言うなれば、完全養殖うなぎは“高級うなぎ界のキャビア”みたいな存在で、
「量が少ない・手間がかかる・高い」の三拍子が揃っています。

将来的には救世主になる可能性は大いにありますが、
現段階では“みんなの食卓を支える”ほどの役割は果たせていません。

 

養殖でも価格が下がらない理由とは

これはもう一言でいうと、「コストの壁」です。

養殖は設備も管理も手間がかかるので、どうしても価格が高止まりします。
エサも魚粉中心で高騰しがち、燃料費も上昇中。

つまり、養殖=価格安定というのは幻想に近いわけです。

筆者自身、スーパーで「養殖うなぎ」と聞くと安心感はありますが、
値札を見て「あ、やっぱ高いのね」とすぐ現実に引き戻されます(笑)

だからこそ、「うなぎが当たり前に食べられる時代」は今後さらに遠のくかもしれません。

この状況を社会的にどう捉えるか?文化をどう守っていくか?
そこに、私たち消費者ひとりひとりの意識が問われている気がします。

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