レット症候群はどんな病気?基本情報と診断基準
この病気は、MECP2という遺伝子に変異が起きることで発症するとされていて、特に女児に多く見られます。
最初は「元気そう」に見えることが多いのですが、1歳半前後になると、言葉が減っていったり、手をもむような動作が始まったりするなど、ちょっとした異変が出てくるんですね。
診断には、まず医師による観察と問診、そして最終的には遺伝子検査が使われます。
「前はできていたことが、できなくなっている」
「目が合いにくい」
「特定の動作を繰り返す」
このあたりが揃ってくると、レット症候群の疑いが強くなるんですね。
ちなみに、自分が調べまくって逆に混乱したのが「自閉スペクトラム症との違い」。
どっちも似てるんですが、レット症候群は“発達してから退行する”のが特徴なんです。
だからこそ、ちょっとでも違和感を持ったら、なるべく早く専門医に相談するのが一番安心です。
兆候と特徴と症状とは?女の子に多い理由も解説
レット症候群の「兆候」や「特徴」は、最初はとても気づきにくいものです。
それが“日々の中に、なんか変だな”という小さな違和感として現れてくるんですね。
初期に見られる兆候と“退行”のサイン
最も特徴的なのは「退行」という現象です。
たとえば、ついこの前まで「ママ」「ワンワン」なんて言葉を口にしていた子が、ある日を境にピタッと黙り込んでしまう。
まるで録音ボタンを切ったかのように、言葉が消えてしまうような感覚です。
動きも同様で、「できてたこと」が急にできなくなるんですよね。
あえてエンジニア的に言うと、こういう“差分”って、システムログで例えると「正常に動いてたプロセスが、ある時点でフリーズして、その後エラーログが出てこない」みたいな感じです。
つまり、「エラーが起きてるけど気づきづらい」っていう、地味に厄介なパターンなんです。
そして、子どもの場合は自分で不調を言えないからこそ、大人が“なんか変だぞセンサー”を敏感にしておくことが大事だと実感しました。
このあと続くのが「手をもむ」「叩く」などの常同運動、そして言葉が止まる、目が合わなくなる、といった症状です。
特有の手の動きと呼吸の異常について
レット症候群の代表的な動きとして、「手もみ」や「手を口に持っていく動作」があります。
これがまた、最初は“癖かな?”程度に見えるんですよ。
でも、そのうち一日中やってたり、指にケガしてても止めなかったり…明らかに異常だと気づきます。
さらに厄介なのが呼吸の問題。
過呼吸と無呼吸を繰り返すことがあり、これが夜間に強く出ると、親は本当に心配になります。
自分も最初は「寝息が止まってる…!?」と飛び起きたことが何度もありました。
しかも、夜寝てくれないと、こっちも仕事に響くわけで…。
こういう時に一番助かったのは、「夜は寝なくてもいいから安心して過ごしてもらう」という開き直りと、やたら高機能なベビーモニターでしたね。
なぜ女の子に多い?MECP2遺伝子との関係
レット症候群の患者のほとんどは女の子です。
理由はシンプルで、MECP2という遺伝子がX染色体にあるからなんです。
男の子はXが1本しかないので、重症化して妊娠中に命を落とすケースが多いと考えられています。
女の子はX染色体が2本あるので、もう一方がある程度バランスを取ることができて、生まれてくる確率が高いんですね。
この辺の遺伝子の話を初めて知ったとき、「なるほど!でもめっちゃ複雑…」と頭を抱えました。
正直、理系エンジニアでもこの手の分野は未知すぎます。
でも「なぜ女の子に多いのか」を知っておくことで、親としての納得感も少し変わってきました。
レット症候群の進行ステージと変化の過程
レット症候群は、ただ症状が進むだけではなく、いくつかの「ステージ」を経て少しずつ変化していきます。
このステージごとの変化を知っておくと、今どんな状況にいるのか、次に何が来るかを見通しやすくなります。
発達停滞期・退行期とは?
レット症候群の第一ステージは「発達停滞期」。
これはだいたい生後6か月〜1歳半ごろに現れます。
この時期の特徴は「成長が止まる」感じですね。
寝返りが遅い、四つん這いにならない、目が合わない…といった違和感が少しずつ積み重なっていきます。
続いてやってくるのが「退行期」。
ここがいちばん親として辛いところで、今までできていたことがポロポロと失われていくんです。
まさに“消えていくような感覚”。
システムエンジニアの観点から言えば、「一度インストールされた機能が順番にアンインストールされていく」ようなイメージです。
自分は最初、それを“癖が戻った”とか“疲れてるだけ”と解釈していたんですが、振り返ってみると、あれがまさに退行のサインだったんだと痛感します。
この時期は親の直感が一番のセンサーになる気がしますね。
仮性安定期・晩期機能低下期とは?
退行が落ち着くと、「仮性安定期」に入ります。
名前の通り、“一見安定してるように見える時期”です。
コミュニケーションは難しいけれど、視線が合うようになったり、感情の反応が増えてきたり。
そして10歳前後から訪れるのが「晩期機能低下期」。
筋肉が硬くなり、動きがどんどん制限されていくんですね。
車椅子が必要になったり、骨がもろくなって骨折しやすくなったりするのもこの時期。
家庭でできる対策と支援の工夫
レット症候群は根本治療が確立されていない分、「毎日の暮らしの中でどう支えていくか」がとても大事です。
特に家庭の中での対応は、ちょっとした工夫でグッと楽になることもあります。
家庭でのコミュニケーションのコツ
まず大事なのは、“言葉じゃなくても伝わる手段”を持つことです。
視線、表情、身振り手振り…。
うちでは、表情の変化や目の動きに全神経を集中させて「これはYESだな」「これはNOか?」みたいに読み取ってました。
最初は全然わからなかったんですが、ある日ふと「あ、このときの顔、プリンが食べたい時のやつだ」って気づいて、それをヒントにどんどんコミュニケーションの手段が広がっていったんです。
システムエンジニア的には、まさに「非言語UIの最適化」って感じです。
このUI、バグが多いようで実は直感的。なかなか奥深いんですよ。
「言葉がない=何も伝えられない」ではないんですよね。
むしろ、“伝えようとしてくれている”ことに気づけるかがカギだと思います。
食事・睡眠・運動で気をつけるべきこと
食事のときは、誤嚥に気をつける必要があります。
うちでは「とろみ調整食品」が救世主でした。これ、本当にすごいです。
トロっとしてるだけで飲み込みやすくなって、むせる回数が激減しました。
あと、スプーンのサイズや形を変えたら、うまく口に運べるようになったりもします。
運動に関しては、無理をさせない範囲で、ストレッチや音楽に合わせて体を動かすのが効果的。
次は、日々進化している治療法について、最新の話題をご紹介します。
最新の治療法と研究の進展
今までは「対処療法」が中心だったレット症候群にも、少しずつ希望の光が見え始めています。
トロフィネチドなど注目の治療薬
2023年、アメリカで「トロフィネチド」という薬が承認されました。
これはインスリン様成長因子(IGF-1)に関係する成分を人工的に作ったものらしく、神経の機能改善に期待されています。
ちなみにこれ、日本でも2025年から治験が始まっているそうです。
この薬がすぐに万能なわけではないですが、「希望がある」ということだけでも、精神的な支えになりますよね。
ニュースを見たとき、思わずガッツポーズしましたから。
科学とテクノロジーの進歩は、きっとこの分野にも良い変化をもたらしてくれるはずです。
遺伝子治療の研究状況と治験の動向
さらに、アメリカではMECP2遺伝子そのものをターゲットにした「遺伝子治療」の治験も始まっています。
まだまだ時間はかかるかもしれませんが、こういった取り組みが進むことで、将来的には症状の進行を止めたり、回復できる日が来るかもしれません。
一方で、現時点ではどれも「すぐには使えない」ものばかりです。
だからこそ、今を支える日常のケアと、未来に期待する研究、この両輪で支えていくのが大事だと思っています。
科学が進んでも、“今”を支えるのはいつだって人の力ですからね。